スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイト:新車試乗記

キャラクター&開発コンセプト

4年目を迎えて大幅マイナーチェンジ

スバル レヴォーグの画像 ビッグマイナーチェンジしたスバル レヴォーグ(2017年)
2013年11月に東京モーターショーでプロトタイプを公開、2014年4月に発表、6月20日に発売された「レヴォーグ」は、北米市場向けに大型化したレガシィに代わって、国内で主力ステーションワゴンとなるべく企画・開発されたモデル。専用デザインのボディに、新開発の1.6L直噴ターボエンジンや当時最新のアイサイト(ver.3)等を採用するなど、国内専用モデルとしては近年珍しく力の入ったモデルだった(現在は欧州にも輸出されている)。 デビュー以来、レヴォーグもスバルの流儀に従って年次改良されていたが、その「大幅改良モデル」が2017年7月3日に発表、8月7日に発売された。開発コード上ではDタイプと呼ばれる。

「アイサイト・ツーリングアシスト」を初搭載

アイサイト・ツーリングアシストの画像
今回のマイナーチェンジで注目すべき改良ポイントは、スバルが誇る運転支援システム「アイサイト」が、新開発「アイサイト・ツーリングアシスト」に進化していること。従来は約60km/h以上でしか作動しなかった操舵支援が0km/hから作動する全車速対応になったほか、先行車追従クルーズコントロール機能の設定上限速度が約120km/hに引き上げられた。採用は今回の改良型レヴォーグとWRX S4が初で、しかも全車に標準装備される。 また、後退時自動ブレーキシステムやステアリング連動ヘッドランプ等を新採用し、全車標準化。さらに「アイサイトセイフティプラス」としてスバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)、フロント&サイドビューモニター、スマートリヤビューミラー、ハイビームアシスト等の安全機能を新採用。スバルがこだわる「総合安全性能」を向上させている。なお、アイサイトセイフティプラスは、この秋に発売される改良型インプレッサやレガシィ アウトバック/B4にも新採用される。 また、サスペンションや電動パワーステアリング等を改良して、操縦安定性、乗り心地、静粛性の向上を図ったのもトピックの一つだ。
 

月販目標は2000台。WRX S4は325台

スバル WRX S4の画像 レヴォーグと同時にマイナーチェンジしたWRX S4
2014年発売当初の月販目標は3200台だったが、今回は2000台に下方修正。ちなみに昨年フルモデルチェンジしたインプレッサは当初2500台、今年前半に発売された新型XVは2200台だったので、目標とするボリュームは同程度と言える。 なお、発表から一ヶ月(先行予約からは約2か月半)の初期受注は、目標の約2.6倍である5234台。また、レヴォーグと同時にマイナーチェンジした4ドアセダンの「WRX S4」は月販目標が325台で、初期一ヶ月の受注はその3.1倍の1024台と、いずれも好調だ。 ■過去の新車試乗記 新車試乗記>スバル レヴォーグ 2.0GT-S EyeSight(2014年12月掲載)
 

価格帯&グレード展開

全車アイサイト標準で282万9600円から

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像 レヴォーグ 1.6STI スポーツ アイサイト
ラインナップは従来とほぼ同じ。1.6Lターボ車(170ps、250Nm)と2.0Lターボ車(300ps、400Nm)があり、それぞれに昨年2016年7月に追加された「STIスポーツ」が最上級グレードとして用意されている。 トランスミッションは全車“リニアトロニック”ことCVT(無段変速機)で、駆動方式は1.6Lが電子制御AWD(アクティブトルクスプリットAWD)、2.0Lが遊星ギア式センターデフで前45:後ろ55にトルク配分するフルタイムAWD(VTD-AWD)になる。
 
スバル レヴォーグ 2.0GT-S アイサイトの画像 レヴォーグ 2.0GT-S アイサイト
初期受注での販売内訳は1.6Lが約70%、2.0Lが約30%。うち1.6STIスポーツは約25%、2.0STIスポーツは約20%と、STIスポーツだけで約45%を占める。オプションの「アイサイトセイフティプラス」の装着率は9割超とのこと。 ボディカラーは新色の「ストームグレー・メタリック」、STIスポーツ専用色の「WRブルー・パール」など全8色。 価格は以下の通りで、WRX S4とWRX STIの価格も併記しておく。WRX S4は全車CVTで、エンジンはレヴォーグの2.0Lと同じ新世代FA20型、WRX STIは全車6MTで、エンジンは伝統のEJ20型になる。 【レヴォーグ】 ■1.6GT EyeSight  282万9600円 ■1.6GT EyeSight S-style 292万6800円 ■1.6GT-S EyeSight  307万8000円 ■1.6STI Sport EyeSight  356万4000円 ※試乗車 ■2.0GT-S EyeSight  361万8000円 ■2.0STI Sport EyeSight  405万円 【WRX S4】 ■2.0GT EyeSight  336万9600円 ■2.0GT-S EyeSight S-style 373万6800円 【WRX STI】 ■STI  386万6400円 ■STI Type-S 406万0800円
 

パッケージング&スタイル

フロントまわりを刷新するも、イメージは従来通り

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
大幅改良とうたわれているが、外観の変更は小規模。フロントまわりは、グリル、バンパー、LEDヘッドランプ(ステアリング連動タイプ)、LEDフロントフォグランプとすべて新しくなったが、ぱっと見のイメージはあんまり変わらない。また、実のところ試乗したSTIスポーツ(写真)に限れば、変わったのはLEDヘッドランプとLEDフォグランプ“カバー”くらいだ。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
ボディサイドも一部グレードのアルミホイールが新デザインになった程度で、リアにいたっては変更なし。ボディカラーも新色の「ストームグレー・メタリック」(試乗車)が追加された程度に留まる。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
ボディサイズは全長4690mm×全幅1780mm×全高1490mm、ホイールベース2650mm。全幅こそ堂々たる3ナンバーだが、それとて今やVWゴルフより20mmスリムな数値。全長が5ナンバー枠(4.7m未満)に収められているのは国内ユーザーへの配慮だろう。
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
スバル XV (2017~) 4465 1800 1550 2670 5.4
4代目トヨタ プリウス (2015~) 4540 1760 1470~1475 2700 5.1~5.4
VW ゴルフ ヴァリアント (2014~) 4580 1800 1475~1485 2635 5.2
スバル フォレスター(2012~) 4595 1795 1695 2640 5.3
スバル レヴォーグ(2014~) 4690 1780 1490 2650 5.4~5.5
メルセデス・ベンツ Cクラス (2014~) 4690~4715 1810 1430~1445 2840 5.1~5.3
VW パサート ヴァリアント (2015~) 4775 1830 1485~1510 2790 5.4
スバル レガシィ アウトバック (2014~) 4815~4820 1840 1605 2745 5.5
 

インテリア&ラゲッジスペース

加飾パネルを変更。情報ディスプレイを大型高精細化

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのインパネ画像
内装についてはインパネやドアスイッチパネルなどの加飾パネルを変更したほか、センターコンソールを8インチナビに対応できる仕様に変更。純正ナビはすべて販売店オプションだが、それらのデザインも車両に合わせて一新されている。試乗車のナビはパナソニック製「ビルトイン」タイプで、スピーカーも含めて専用設計されたもの。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのスマートリヤビューミラー画像 新採用のスマートリヤビューミラー。ミラー下側のレバーを操作すると、液晶ディスプレイに切り替わる
また、インパネ中央上部のマルチファンクションディスプレイは、5.9インチの高精細カラー液晶に変更されている。そしてアイサイトセイフティプラスに含まれる「スマートリヤビューミラー」(後述)も注目ポイントの一つだ。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのフロントシートの画像
試乗したSTIスポーツには、ヘッドレストにSTIのロゴがエンボス加工されたボルドー色の専用本革電動フロントシート、専用ドアトリム、そしてSTIロゴ入りステアリングホイールなどが奢られている。シートの形状自体はGT-Sグレードのシート、あるいはWRX S4/STIの標準シートと同じようだ。

後席は2分割から3分割に変更

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのリアシート画像
後席はスペースと座り心地、ともに不満なし。背もたれの角度は従来通り、左右別々に5段階でリクライニングできる。 今回大きく変わったのは、背もたれの分割方法が従来の2分割(6:4)から、流行りの3分割(4:2:4)になったこと。アウトバックやフォレスターでもまだ2分割だが、どうやら欧州車と競合した場合に2分割では見劣りするというのが3分割化の理由らしい。マイナーチェンジでわざわざここを変えるケースはかなり珍しい。

荷室自体は特に変更なし

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのトランク画像
荷室容量(後席使用時)は従来通り522L(40Lのサブトランクを含む)。さらに荷室側のレバーを引くとロックが外れ、背もたれがほぼフラットに倒れる。このあたり、スバルとしてはこだわった部分だろう。トノカバーはインプレッサやレガシィ同様に軽量のアルミ製で、気合いを入れなくても取り外すことができる。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのトランク画像
荷室の奥行きは、後席使用時が1070mm、後席格納時(フロア長)が1632mm。ちなみに、レガシィ アウトバックのトランクは容量559L(床下サブトランクは47L)と大きいが、奥行きは後席使用時が1062mm、後席格納時のフロア長は1653mmとレヴォーグと大差ない。レヴォーグはボディサイズの割に頑張ってる感じ。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの床下収納の画像
床下のサブトランクには、中で荷物がゴロゴロ転がらないように仕切りが付いている。奥の(車両前方側の)サブトランクにはパンク修理キットやパンタグラグジャッキ、最小限の工具が収まる。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイト床下収納の画像
発泡プラスチック製のサブトランクボックスを外せば、フルサイズのタイヤが入りそうな大きな空間が現れるが、スペアタイヤ搭載仕様は少なくとも国内向けには用意されていない。
 

基本性能&ドライブフィール

1.6Lでもパワーは十分

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのエンジン画像
試乗したのは「1.6STIスポーツアイサイト」(356万4000円)。ザザザーーンというフラット4独特のサウンドを聞きながらユルリと走り出す。この1.6L直噴ターボエンジンは、今回のマイナーチェンジで制御最適化などが行われたようだが、最高出力170ps、最大トルク250Nm(25.5kgm)というスペックは従来通り。2.0Lターボ車の300ps、400Nmという大パワーと比べると半分強だが、まぁしかし実際に走らせてみれば「1.6ターボで十分」というのが一般的な印象だろう。 ちなみに1.6Lターボ車の場合、走行モードには燃費重視のiモードとスポーティさ重視のSモードの2種類がある。基本的にはエンジン始動後のデフォルトであるiモードで十分というか、その方が静かに、スムーズに走れる。一方、2.0Lターボは高トルク対応のスポーツリニアトロニックCVTになり、iモード、Sモード、S♯モードの3種類になるほか、アクセル高開度加速時には8速ステップ変速になる。

(遅ればせながら)STIスポーツの足に感心

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのタイヤ&ホイール画像 STIスポーツのタイヤは225/45R18 のダンロップ SPスポーツマックス050
今回はあくまでも3年前に試乗した1.6GTおよび2.0GTと、今回試乗した1.6STIスポーツとの比較になるが、乗り心地は確かに良くなっていた。プラットフォーム自体は先代インプレッサ系をベースにしたもので、STIスポーツの足はフロントに専用のビルシュタイン製ダンパー(1.6/2.0GT-S用のビルシュタイン製倒立ダンパーとは異なるもの)を奢ったもの。少々古典的ながらも、適度に引き締まった、それでいてスムーズな動きが気持ちいい。突き上げはマイルドだし、硬めの足にありがちな小刻みなピッチングもない。乗り心地は新世代SGPシャシーの現行インプレッサやXVほどではないが、それでもかなりよくなった。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのビルシュタイン製ダンパー画像 STIスポーツ専用のビルシュタイン製ダンパー
なお、今回のマイナーチェンジでは、電動パワーステアリングの改良、遮音・制振対策による静粛性向上(前後ドアやリアガラスの板厚アップ、遮音・吸音材の追加など)、高μブレーキパッド採用なども行われ、特に1.6Lモデル(STIスポーツ以外はカヤバ製ダンパー)では乗り心地を良くするため、サスペンションストローク(最低地上高)も10mm増やされている。ただし、このSTIスポーツに限れば、今回はサスペンション自体の変更はないとのこと。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのバッジ画像
そのハンドリングはなかなかのもの。ステアリング操作に対して、素晴らしく素直にクルマの向きが変わる。また、制動力自体は一般的なレベルだが、ブレーキング時のノーズダイブ感が少なくてペダルタッチもいいので、とてもコントロールしやすかった。普段使いを重視したSTIスポーツに適したチューニングだと思う。

【アイサイト・ツーリングアシスト】…約120km/hまで設定可能

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのステアリングスイッチ画像 アイサイトの操作スイッチ
注目の「アイサイト・ツーリングアシスト」は、0km/hから約120km/hの車速域で、アクセル、ブレーキ、ステアリング制御をアシストするもの。従来からの改良点は、主に以下の2点だ。 1つ目は設定上限速度の引き上げ。従来のアイサイト(ver.3)では他の国産車にならって約100km/h(実際には110km/h台)までだったが、今回のアイサイト・ツーリングアシストではそれを約120km/h(メーター誤差を勘案してメーター上は135km/h)に引き上げている。これは、新東名などの一部区間で制限速度がいずれ120km/hに引き上げられることを受けてのもの。国産車ではトヨタがレクサスLCや新型カムリで、レーダークルーズコントロールの設定速度を従来の110km/h台までから180km/hまでに変更している。アイサイト・ツーリングアシストは速度の引き上げ幅こそ少ないものの、それに続くものだ。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのアイサイト・ツーリングアシスト画像
2つめはステアリング制御の全車速域化である。従来のアイサイト(ver.3)にも、車線逸脱抑制機能や車線中央維持機能(いわゆるレーンセンタリング機能)はあったが、それらが作動するのは約60~100kmの速度域に限られていた。今回はそれを全車速、つまり0~約120km/hで作動するようにしたわけだ。 さて、実際にアイサイト・ツーリングアシストを使った印象はというと、まず全車速追従機能については精度がより高まった感じで、以前にも増してスムーズに先行車を追従していくようになった。性能が向上した分、コーナーや分岐などで先行車を見失った時の動きにはやや課題を感じたが、それでも市販車ではトップレベルだと思う。しかもアイサイトはこれを(ミリ波レーダーなしで)ステレオカメラだけでやっている。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのアイサイト・ツーリングアシスト画像
また、ステアリング制御については、区画線(車線)や先行車を認識する性能が以前より明らかにアップし、また、全車速域で作動するようになったこと、そして操舵支援時の操舵トルクが強まったことで、はっきりとその恩恵が感じられるようになった。車線中央を維持する時の微妙な「ステアリングさばき」は、往々にして左右にフラフラしたり片方に寄ってしまったりする初心者ドライバーより上手いと思う。 もちろん現状では手放しは許されていないので、ステアリングに手を添えていないと(人間の手で多少の操舵トルクを与えていないと)、警告と共にアシストが途絶えてしまうし、また、車線が読み取れないこともままある。しかし目下、市販車に採用されているステアリング制御の中では最も洗練されているものの一つ、という印象を受けた。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの後退時自動ブレーキシステムの画像
また、今回のレヴォーグには「後退時自動ブレーキシステム」も新採用されている。これは日産などで早くから採用されているものと同様のもので、つまり車庫入れ時などの後退時にソナーセンサーで後方を監視し、衝突しそうな場合には自動ブレーキをかけるものだ。今回の試乗でも車庫でバックしている際に、一度だけガツンと自動ブレーキが作動したことがあった(まだ余裕はあったのだが、アクセルの踏み込みが大きいと判断されたのだろう)。システムへの過信は禁物だが、バックでうっかりぶつけてしまうことはかなり減りそうだ。

アイサイトセイフティプラス……スマートリヤビューミラーを採用

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのスマートリヤビューミラー画像
レヴォーグだけでなく、インプレッサやレガシィでもマイナーチェンジで採用される「アイサイトセイフティプラス」は、車種によって内容が多少異なるようで、新型レヴォーグの場合、フロントビューモニターとスマートリヤビューミラーがそれに該当する。中でも注目はスマートリヤビューミラーだ。 スマートリヤビューミラーは、通常はごく普通の鏡を使った光学式ルームミラーでありながら、下側の防眩用レバーを操作するとリアウインドウ内側に搭載された専用デジタルカメラの映像を映し出す液晶ディスプレイに早変わりする、というもの。これも同様のものが日産車(エクストレイル、エルグランド、セレナ、ノートなど)ではすでにオプション等で採用されている。レヴォーグの場合は、荷物を満載してルームミラーが使えなくなった時でも後方を確認できるというのが売りであり、それゆえかセダンのWRX S4には採用されていない。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのスマートリヤビューミラー画像
さて、スマートリヤビューミラーを使ってみると、最初は液晶ディスプレイの解像度が低く、映像が不鮮明なのが気になってしまう。また、老眼等で近くのものが見えづらい人の場合は、ピントが合いにくいと感じることもありそうだ。 ただ、これが慣れてくると意外に悪くない。一番のメリットは、従来のルームミラーに比べて視野が圧倒的に広いこと。鏡の場合はルームミラーにまったく映らない斜め後方の車両でも、スマートリヤビューミラーでは映るし、上下方向にも視野が広いため、通常のミラーでは車種が分からないクルマでも、これなら分かるというくらいの違いがある。 もう一ついいと思ったのは、夜間、いちいち防眩モードに切り替えなくても後続車のヘッドライトが眩しくないこと。また、逆に真っ暗なところではそれなりに明るく後方の景色を表示してくれる。なお、ディスプレイに写っているのはあくまでも映像なので、助手席や後席からでも同じものが見える。

試乗燃費は7.3~10.2km/L。JC08モード燃費は16.0km/L(1.6STIスポーツ)

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの給油時の画像
今回は約280kmを試乗。参考ながら試乗燃費はいつもの一般道と高速道路を走った区間(約80km)が7.3km/L。一般道を普通に走った区間(約30km×4回)が7.5km/L、8.4km/L、8.9km/L、10.2km/Lだった。ストップ&ゴーが多く、アクセルを踏み込む機会が多いと厳しいという印象。 JC08モード燃費は改良前と変わらず、アイドリングストップ機能付の1.6Lで16.0km/L、同機能なしの2.0Lで13.2km/Lに留まる。ちなみに3年前、レヴォーグ 2.0GTに試乗した時の燃費も8.5~10.8km/Lだったので、排気量が違っても実用燃費には大きな差はないのかも……。ただし使用燃料は1.6Lがレギュラー、2.0Lはハイオクになるが。タンク容量はいずれも60Lだ。

ここがイイ

良くなった乗り心地。気持ちいいハンドリング。さらに実用的になったアイサイト

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
2014年発売時のレヴォーグは国内専用車、それもかつてのレガシィ再来ということで期待の大きかったモデルだが、荒れた路面での乗り心地はいま一つという印象だった(当時の試乗記でもそこは指摘した)。それが今回試乗したSTIスポーツではずいぶん良くなっていたし、ハンドリングも良かった。 設定速度の引き上げや操舵支援の全車速化など、アイサイト(ツーリングアシスト)がさらに実用的になったこと。そして、そんなアイサイトを標準装備したスポーツワゴンがとりあえず200万円台から買えてしまうこと。メーカーの資料には「ドライバーが『いつまででも、どこまででも走り続けたい』と思える性能を実現」とあるが、確かにそんなクルマになっていると思う。 スマートリヤビューミラーは視野は広いし、夜間でも明るく、それでいて後続車のヘッドライトが眩しくないのがいい。映像はもっと鮮明になってほしいが、慣れてしまえば通常のミラータイプより便利だと思う。

ここがダメ

物足りない燃費性能

ハイブリッド車の燃費性能がベンチーマークとなる昨今、JC08モードで13~16km/L台、実燃費で10km/L台に届かない燃費性能は物足りない。欧州市場や欧州メーカーの動きを見ても、今後はハイブリッドなどによる電動化が避けられないと思うが、果たして水平対向でやるのか、それとも。 2.0L用のCVTは8速ステップ変速モード付のスポーツリニアトロニックだが、1.6L用のリニアトロニックは、急にアクセルを踏んだ時、あるいは離した時などにリニアリティに欠けることがあり、また高回転まで回すと独特のノイズやフリクション感が目立つ。スポーティな走りを重視する向きは、そこが少し気になるかも。

総合評価

改良を重ねて良くなってきた

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
日本で使いやすいサイズの、今や貴重なステーションワゴンであるレヴォーグだが、デビュー当初の試乗では、乗り心地などの点で改良の余地が感じられたのも事実。そのあたりはメーカーも認識があったようで、スバルらしく多くの年次改良がなされ、ここに来てついにガラスの厚さまで変えるという、なかなかありえないビッグマイナーチェンジで徹底的に手が入れられた。その結果、今回の試乗ではほぼ不満なし。試乗したSTIスポーツはスポーティな外観やハンドリングを特長とするモデルだが、乗り心地から静粛性まで、日常的に使ってもまあ文句は出ないだろう。また当然、走り好きな人も満足できるものだと思う。改良を重ねて良くなってきたという点では、欧州車でよくある感覚にも近い。 ただ、ほぼ不満なしというのは、あくまでも今のパッケージングにおいて。例えば燃費をこれ以上よくしていこうとすれば、もしかしたら今後、前述したように伝統の水平対向エンジンをもっと効率のよいものに替える必要がでてくるのかもしれない。ここはアイデンティティに関わる部分でもあるのでなかなか難しい話だが、今後は悩ましい舵取りが必要になるかもしれない。

やっと設定速度が引き上げられた

今回はなによりアイサイト・ツーリングアシストがすばらしいと思う。新型カムリに続いて車間制御機能付クルーズコントロールの設定速度が引き上げられたのは、やっとこの種のシステムが実用になる=買ってもいい=ついに商品性がでてきた、ということでもある。2003年にデイズで編集した「インテリジェントカー」というムック(宝島社刊)で、今はなき ホンダ インスパイアの4代目に搭載された車間制御機能付クルーズコントロールの性能に驚愕しつつも、110km/hまでしか設定できないことに「認可とのかねあいがあるのだろうか、せっかくの実用的な装備を、こうした建前でムダにしているのは解せないところ」「せっかくのハイテクがこの一点で絵に描いた餅になりかねない」と書いた。実際の高速道路の流れにおいて、その速度設定では当時は実用的に使うのが辛かったからだ。それからもう14年(!)もの年月が過ぎた。そして振り返ってみるとこの間、やはり絵に描いた餅だったのではないかと思う。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
この14年の間にあったことといえば、例えば家電のシャープは天国から地獄へと揺れ動いた。液晶テレビが売れ始めたシャープは、2004年に巨額投資した三重県亀山工場が竣工して、世界の亀山モデルとして液晶テレビが爆発的にヒット。しかしリーマンショック以降は急に売れなくなって、液晶需要はスマホへと移り、テレビも新興国需要などでは韓国サムスン、LGに負けてしまう。通産省主導のジャパンディスプレイには参加せず、大赤字の中、結局台湾の鴻海精密工業の傘下となった。このシャープに限らず、日本の電機メーカーは大半がこの間に経営不振に陥っている。日本の物づくりの一角が崩壊しつつあることは、ご存知のとおりだ。 そんなダイナミックな動きがあった14年の間、車間制御機能付クルーズコントロール(ACC=アダプティブ・クルーズ・コントロールとも呼ばれる)は、最もわかりやすく自動運転を想起させる装置にもかかわらず、少なくとも国内向けの日本車では、ひっそりと存在し続けてきた。精度が改善されたり、カメラが追加されたり、0km/hからの全車速対応型になったりとしつつも、実用的にはあまり使われないハイテクとして存在してきたのだった。スバルの場合は、ステレオカメラを使ったシステムを「ADA」という名称で1999年から市販車に搭載し、2008年からはアイサイトという名称で販売主力モデルに展開し始めたが、これもまた速度設定は他社と横並びだった。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトのステアリング画像
この手のクルマに試乗するたびに、速度が、速度が、と言い続けてきたが、ついにここに来て実用的な速度に設定できるようになったことは、めでたいとしか言いようがない。いや皮肉っぽく言えばおめでたい、だろうか。車間制御機能付クルーズコントロールが国産の量販車にも採用されるようになってから、要するに14年ほど経つわけだが、その間に人々のクルマに対する関心は大きく後退してしまった。特に若い人たちの間ではクルマはオワコンのひとつだろう。液晶テレビが売れなくなったことの原因はリーマンショックだけでなく、若い人たちがもはやテレビなど見なくなったことも大きいと思われる。クルマもそうなってしまいそうな気がするというか、もはやそうなっているのかもしれない。絵に描いた餅を作っている間に、クルマ技術の進化が若い人には全く響かない時代になってしまったようだ。

こんなスピード感では家電業界の二の舞

スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
そんな象徴的な先進技術である車間制御機能付クルーズコントロールの設定速度が、今回の「アイサイト・ツーリングアシスト」を含めて、国内向け日本車でも引き上げられるのは画期的なこと。これは本文でも触れたように高速道路の最高速度引き上げに対応するものだ。 新聞報道では2017年11月から、新東名の新静岡ICと森掛川IC間50.5kmを、「試験的」に110km/hへ引き上げる方向で警察庁と静岡県警が調整しているという。少なくとも一年間試行を続けるほか、大型トラックなどは追い越し車線を走行しないようにすることも検討されているらしい。1963年に名神高速道路が一部開通して以来、50余年という途方もない時間を経て、ついに「ちょっとだけ」変わった。120km/hになるのにはさらに時間がかかりそうだが、やっと、やっとである。 新東名高速道路は当初、全線3車線で150km/hでも安全快適に走れるように計画された道路だったが、民主党政権下の公共事業見直しによって、ところどころ2車線という歪(いびつ)な形で完成とされてしまった。トヨタ本社のある愛知県豊田市から東京都内まで約300kmを2時間で行ける道ができるから、クルマもそれに対応するものを作るぞ、というのが日本車が変わったと言われる1989年当時、トヨタ幹部が持つ共通認識だったと思う。紛いなりにも、それに近い状態になるのに28年ほどかかったわけだ。こうした行政のスピード感では、今後自動車業界が家電業界のようにならないとも限らないのでは、と憂うしかない。
 
スバル レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイトの画像
今はまだ確かに日本車にも競争力はある。ただそれは10余年前のシャープと同じ状態のように思えてしまう。世界の亀山モデルから、ほんの10年で今の状態だ。日本のクルマは10年後に大丈夫なのか。政治はこの5年ほど政権交代もなく、ある意味安定していた。であれば、もう少し実感の伴った経済対策、行政改革が進んでほしかった。今後政局がどうなるかわからないが、省庁間での調整が必要な自動車業界に関わる4省庁(警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省=ITS関係4省庁)は、政治主導でもっと強力に調整できないものだろうか。さらに地方自治体も加えて、官民一体で自動車業界の発展を後押しすべきではないだろうか。クルマはもはや日本にとっては「最後の期待の星」なのだから。 ただ、電機業界や通信業界は親方日の丸体質ゆえにああなったという指摘もある。そこがまた日本社会の難しいところだが、少なくとも自動運転へと進むクルマの技術など、国際的に認められていることは、変な規制をしないよう願いたいものだ。
 

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